「じゅんばんこ」ができないのはわざとじゃない
- 遊具の列に割り込んでしまう
- 他の子を押して先にやりたがる
- 順番を注意すると怒る・泣く
「まだ順番って概念がわからないのかな?」
「他の子に迷惑をかけないか心配…」
そんなときこそ、“順番って楽しい!”という経験を重ねるチャンスです。
この記事では、作業療法士パパの視点から、「順番が守れない子」が外遊びを通して“社会的なルール”を自然に体験する工夫を紹介します。
なぜ順番が難しいのか?
- 「あとで」の見通しが立ちづらい(待てない=不安)
- 自分と他者の立場の切り替えが難しい
- 「順番=ルール」としての理解が薄い
順番は“社会性・感情調整・ルール理解”が重なる高いスキル。いきなりは難しくて当たり前です。
外遊びは“順番”を経験するのに最適な場
- 並ぶ・待つ・交代する場面が自然に多い
- 親子や他の子とのやりとりで「順番」の意味を体感できる
- 遊びながら、繰り返し“順番ってこういうこと”を学べる
順番を「守らせる」より「楽しむ」ことが第一歩です。
OTパパおすすめ|“順番の感覚”を育てる外遊び5選
「順番が守れなくて困る…」
「“まだダメ!”と何度も言ってしまう」
そんなお悩みを抱えるママパパへ。
実は、“順番を守る”力も、経験の中でゆっくりと育っていくものです。
今回は、作業療法士パパの視点から、外遊びを通して「順番って楽しいかも」「待つって安心できることかも」と感じられるようになる、5つのアプローチをご紹介します。
1.すべり台やブランコなど“交代制”のある遊具
順番のルールを体験するには、**すべり台やブランコのような“自然と交代が生まれる遊具”**がぴったり。
- 並ぶ
- 待つ
- 自分の番がくる
この一連の流れを視覚的・体感的に理解しやすい環境だからこそ、順番の意味がスッと入っていきます。
特に「並んでいる列」「遊んでいる子」「その次の人」が目に見える構造になっていることがポイント。
「自分の次がくる安心感」が、順番への納得感につながっていきます。
育つ力: 見通し・切り替え・他者への意識
2.親子での“順番交代遊び”(シャボン玉・縄跳びなど)
「いきなりお友だちと交代」は難しくても、まずは“親子で交代”という安心感のある関係から始めることで、スムーズに体験できます。
「ママが先にやるね」「次は〇〇ちゃんだよ」
と、交代の流れを遊びとして楽しむことで、
- 待っている間にワクワクする
- 終わった後にちゃんと“次がくる”
という感覚が育ちやすくなります。
特にシャボン玉や縄跳びなど、一人ずつ行う遊びを使って交代するルールを“楽しいもの”として体験できるようにしましょう。
育つ力: 安心の中での切り替え・遊びのルール化
3.「あと〇人で自分の番」が“見える”遊び(列を数える・並ぶマークなど)
抽象的な「待っててね」よりも、視覚的に順番を“数で見せる”工夫が効果的。
たとえば、
- 「あと2人で〇〇ちゃんの番だね」
- 「赤いマットに来たら次だよ」
といったように、順番の“見える化”を通して安心して待てる状態をつくります。
数字や位置で順番がわかることで、「自分の番がちゃんとくる」と納得でき、“我慢”ではなく“理解”の上での待機ができるようになります。
育つ力: 順序認識・数の概念・先を見通す力
4.おともだちとのリレーごっこ・バトン渡し遊び
バトンを「渡す」「受け取る」というシンプルな構造の遊びは、順番の感覚をチームで共有できる体験です。
- 「終わったら誰かに渡す」
- 「次の人が自分を待っている」
という関係性が、他者への意識や順番の意味を体で理解するきっかけになります。
少人数から始めて、「交代するって楽しい!」という感覚を育てていくと、自然と集団での順番にもつながっていきます。
育つ力: 他者への配慮・社会的な役割の理解
5.「最後にもう一回」ルールで“終わりと区切り”を経験
「もっとやりたい!」「やめたくない!」という気持ちに応えながら、順番と切り替えの経験を支えるには、
「最後にもう一回ね」という**“区切りの合図”**がとても有効です。
- 「あと一回でおしまいだよ」
- 「そのあとは次のお友だちね」
と伝えることで、「やりたい気持ち」を受け止めつつ、「終わること」や「次の番」の概念も同時に育てられます。
育つ力: 感情調整・我慢の経験・納得の切り替え
声かけ・関わり方の工夫|「ダメ!」ではなく「次は〇〇だね」
順番が守れないとき、つい「ダメ!」と止めてしまいがちですが、
それでは“なぜダメなのか”が伝わりません。
そんな時は、「順番のルール」を“説明”として届ける声かけが有効です。
- 「今は〇〇ちゃんの番だよ」→ 状況を見せて伝える
- 「あとでできるから安心して待とうね」→ 見通しを与える
- 「今、ちゃんと待てたね!」→ “待てた”ことを肯定する
「順番=待っているとちゃんとできる」ことを“安心感”として教えていきましょう。
まとめ|順番は“教える”より“感じさせる”ことで身についていく
順番が守れない子には、
- 「待てない」のではなく、「順番の意味が理解できていない」
- 「我慢できない」のではなく、「見通しが立っていない」
という背景があることが多いです。
でも、外遊びの中には、
- 「交代する楽しさ」
- 「ちゃんと自分の番が来る安心感」
- 「終わりの納得感」
が自然に育つヒントがたくさんあります。
「順番が楽しい」「待つっていいこと」
そんな気持ちを、外遊びの中で少しずつ育てていきましょう。