「また叩いちゃった…」は、子どもなりの“伝えたい”のサインかも
- 思い通りにいかないと、すぐに手が出る
- お友達にぶつかったり、たたいてしまったり
- ダメだとわかっていても、気持ちを止められない
「また…」「どうしてわかってくれないの?」
と悩むことはありませんか?
でも、
手が出るのは“わるい子”だからではなく、「うまく言えない」「どうしたらいいかわからない」子どものSOSかもしれません。
この記事では、作業療法士パパの視点から、すぐに手が出る子に対して外遊びを通してできる支援や関わり方を紹介します。
すぐに手が出る背景にある“感覚”と“心の動き”
- 感覚が敏感・過敏で、ちょっとした刺激でイライラしてしまう
- 自分の気持ちを“ことば”に変換するのが苦手
- 「待つ」「ゆずる」などの社会的スキルが未熟
手が出るのは、「気持ちを伝えたい」けれど「どう伝えていいかわからない」時に起きやすい行動です。
外遊びが“気持ちの整理と発散”の場になる理由
- 思いきり体を動かすことで、内側のモヤモヤを発散できる
- 人との関わりが“ルール付き”になりやすく、順番ややりとりが練習できる
- 言葉が出なくても、動きで気持ちを表現しやすい
外遊びは「ガマン」「伝える」「調整する」の体験が自然にできる場です。
OTパパおすすめ|気持ちのコントロールを育てる外遊び5選
1.バケツリレーや石拾いリレー
- 順番を守る・役割をこなす経験ができる
- 落とさないように慎重に運ぶ“抑える”感覚も身につく
育つ力: 衝動抑制・順番理解・協力の喜び
2.砂場で“役割分担”ごっこ(料理屋さん・工事ごっこなど)
- 自分のペースで関われる中で、他者とのやりとりが生まれる
- 「こうしてほしい」が自然に出てきて、“伝える”練習になる
育つ力: 役割理解・自己表現・協調性
3.タイマーを使った順番交代遊び(ブランコ・滑り台など)
- 「時間が来たら交代」のルールで見通しを持てる
- “今は待つ”経験を積むことができる
育つ力: 時間感覚・我慢する力・見通し力
4.鬼ごっこやしっぽ取りゲーム
- 接触がある中でも“ルールのある動き”が求められる
- 手を出す“加減”や“やりとり”を体で覚える
育つ力: 衝動の調整・社会性・感情のコントロール
5.「じゃんけん」や「あっち向いてホイ」など、短いやりとり遊び
- すぐに結果が出る→負けた時の気持ち整理が練習になる
- 笑って終われる経験が「次もやってみよう」に
育つ力: 勝ち負けへの理解・気持ちの切り替え・遊びの中の学び
声かけ・関わり方の工夫|「だめ!」ではなく「どうしたかったの?」を一緒に考える
- 「叩いちゃったね、びっくりしたね」→感情に寄り添う
- 「本当はどうしてほしかったのかな?」→意図を言葉にしてあげる
- 「手じゃなくて、言葉で伝えられたらすごいね」→次へのヒントを
子どもが“伝える方法”を少しずつ学べるよう、関わる大人の姿勢がとても大切です。
まとめ|“伝える手段”を増やすことで、手が出る以外の選択肢が育つ
子どもがすぐに手を出してしまう時、
- それは「自分でもコントロールできていない」証かもしれません
- 叱られることで「どうせわかってもらえない」と感じやすくなります
外遊びは、“ことばにできない気持ち”を表現したり、やりとりを練習する場になります。
焦らずに、
「叩く」以外の方法で“伝わった”経験を積み重ねていきましょう。
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