「想像力が育ちにくい子」に外遊びでできること|“思いつく力”は遊びの中で育つ

tamutamu

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「〇〇ごっこができない…」は想像力不足?

  • お店屋さんごっこやヒーローごっこが続かない
  • 道具の使い方が現実的で“見立て”が出にくい
  • 「どうしたい?」と聞いても答えが返ってこない

「想像力がないのかな?」「遊びが単調すぎる…」と不安になることもあります。

でも、

“想像力”はセンスや才能ではなく、“経験の中で育つ力”です。

この記事では、作業療法士パパの視点から、想像力が育ちにくい子に向けた外遊びでの関わり方を紹介します。


想像力が育ちにくい子の特徴とは?

  • 見立てたり、展開する遊び経験が少ない
  • 「こうすればいい」が決まっていないと不安になる
  • 感覚に集中しすぎて、発想が広がりにくいこともある

自由すぎるより“ちょっと導かれた自由”の中で、想像は広がります。


外遊びが“想像のスイッチ”を押してくれる理由

  • 砂・石・木・空…変幻自在の“素材”がそろっている
  • 自然なストーリーが生まれる場面が多い
  • 道具や環境に“正解”がないため、発想が試される

外遊びは、“自由すぎない自由”がちょうどいい刺激になります。


OTパパおすすめ|想像力を育てる外遊び5選

「うちの子、遊びが広がらなくて…」
「ごっこ遊びがすぐ終わっちゃう」
そんなお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

でも、想像力は自然に育つ力ではなく、環境と経験の中で少しずつ芽を出していくものです。

今回は作業療法士パパの視点から、外遊びの中で“想像の種”を育てる5つの方法をご紹介します。


1.素材を見立てる遊び(石=ケーキ、葉っぱ=お金など)

「この石、ケーキに見えるね!」
そんなふうに、何かを別のものとして見立てる遊びは、想像力の基本です。

大人が「この葉っぱ、お金だったら?」と投げかけるだけで、子どもの中に“想像のスイッチ”が入ることも

見立ては、身近な自然物だからこそやりやすい。
公園に落ちている石・枝・葉っぱなど、決まった使い方がないものを使うことで、子ども自身の発想が動きやすくなります

育つ力: 発想の柔軟さ・見立て力・物語の入り口


2.簡単なごっこ遊び(お店屋さん・探検隊・動物園など)

「お客さんになって」「ここがお店だよ」
そんな“場面設定”と“役割”があるごっこ遊びは、物語を作る力を育てる最高の体験です。

とはいえ、遊び慣れていない子には、「何をしたらいいの?」と戸惑うことも。
そんなときは、大人が「この道、森のトンネルみたいだね!」など、一言ナビゲートするだけで遊びが広がります。

少しずつ「~役」「~場所」などを子ども自身が決められるようになると、想像の世界を自分で動かせるようになります。

育つ力: ストーリー構成・他者の視点・想像の共有


3.自然物+道具を組み合わせた遊び

バケツに水と葉っぱを入れて「スープできたよ!」
こんなふうに、道具と自然物を組み合わせると、想像の遊びがグッと深まります。

「このスープ、どんな味かな?」「次は何を入れようか?」
というように、大人が“遊びを料理番組のように実況”してあげると、子どもが想像で展開していく材料になります。

「こうやって遊ばなきゃ」という固定概念のない素材だからこそ、自由な発想が生まれるんです。

育つ力: 創作意欲・展開の連想・因果関係の理解


4.まねっこから始める(大人や他の子の遊びを模倣)

想像力が育ちにくいと感じる子の多くは、最初の「どうしたらいいか」がわからないことが多いです。

そんな時に有効なのが、「模倣」からのスタート。
他の子や大人の遊びを真似るところから入り、少しずつ「自分なりに変えてみる」ことで、オリジナルの発想へと広がっていきます。

真似る → 加える → 自分の形に変える
このプロセスが、自由な想像の入り口になるんです。

育つ力: 模倣・観察力・自由への入り口


5.「これから何になると思う?」の問いかけ

「この枝、なにに見える?」
「この穴、どこに続いてると思う?」
こうした“問いかけ型の関わり”は、子どもが考えるチャンスを増やします。

正解を求めるのではなく、どんな答えも面白がって受け入れる姿勢が大事。
大人も「この石、UFOに見えてきた!」と一緒に想像を楽しむことで、想像が“共有できる体験”に変わります。

育つ力: 発想の共有・自信・物語的発想


声かけ・関わり方の工夫|“ヒント”を与えて“任せる”

子どもが「何して遊ぼう?」と迷っているとき、大人が“きっかけ”を出すだけで想像の火種になります。

  • 「これ何に使えるかな?」
  • 「今、どんな場面なの?」
  • 「すごいアイデア!それお話にしてみようか?」

といった声かけは、子どもの中にある“発想の芽”を見つけ、育てていくお手伝い

“一緒に想像する”ことで、子どもの世界は大きく広がります。


まとめ|“やり方のない遊び”にこそ、想像力は育つ

想像力が育ちにくい子は、

  • 「型がない=不安」
  • 「何をすればいいか分からない」

と感じていることが多いです。
でも、外遊びには“正解がない”“ルールが決まっていない”という自由があります。

その自由を「一緒に楽しもう」という大人の関わりがあることで、
「こんな遊び方もあるんだ!」という発見が積み重なっていきます。

想像力は、“できること”より、“遊び方を見つける力”。
子どもの中にある「ちょっと面白そう」の気持ちを、そっと応援していきましょう。


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