「目が合わない…」と感じたときに知っておきたいこと
- 名前を呼んでも目をそらされる
- カメラを向けても視線が合わない
- お友達と目を合わせて話すのが難しい
「なんで目を見てくれないの?」と不安になった経験、ありませんか?
でも実は、
「視線を合わせる」こと自体が、その子にとって負担になっている場合もあるのです。
この記事では、作業療法士パパの視点から、視線が合いにくい子に外遊びでできる支援を紹介します。
視線が合いにくい子の背景にある感覚や心の動き
- 視覚に敏感で、目と目が合うと緊張しやすい
- 「相手の気持ちを読み取る」のがまだ難しい
- “注目の仕方”が発達途中で、視線よりも体や声に反応しやすい
視線を合わせる=社会的ルールととらえがちですが、子どもにとっては「安心できる相手との心地よい関わり」が土台です。
外遊びが“自然に視線を交わす”きっかけになる理由
- 動きや遊びの中で、無理なく「見る」機会が増える
- 共通の対象(ボール・虫・雲など)を見ることで“視線が交差”しやすくなる
- 「じっと見られる」よりも、「ふと目が合う」方が安心しやすい
外遊びは、“目を合わせる練習”ではなく、“気持ちを交わすきっかけ”をくれる場所なんです。
OTパパおすすめ|視線のやりとりを育てる外遊び5選
1.ボール転がし・キャッチボール
- 相手の動きを見てタイミングを合わせる
- ボールを介して“自然と相手を見る”経験に
育つ力: 共同注意・目と動きの連動・反応力
2.「いないいないばあ」やかくれんぼ
- 見えたり見えなかったりすることで「見る」ことに意識が向く
- 見つけた瞬間の視線の交差が楽しい経験に
育つ力: 視線のコントロール・感情表現・つながりの体験
3.「あれ見て!」ごっこ(空・木・虫を指さす)
- 指さしで注目の方向を共有し、“視線の交差”が生まれやすい
- 無理に見させず「一緒に見る」がポイント
育つ力: 共同注視・視覚的な関心の共有・共感性
4.追いかけっこやシャボン玉遊び
- 動くものを「一緒に追う」ことで、視線の交差が自然に起きる
- 相手の動きを“視野に入れる”経験になる
育つ力: 周辺視野・動的注意・非言語的関わり
5.真似っこ遊び(「見ててね」「同じようにやってみて」)
- 大人やお友達の動きを見て「視線を向ける」練習に
- 成功体験が「見るのって楽しい」に変わる
育つ力: 模倣・視線誘導・やりとりの楽しさ
声かけ・関わり方の工夫|“無理に見させない”が大前提
- 「目を見て!」ではなく、「一緒に見ようか?」で寄り添う
- 「今、目が合ったね!」と喜びの共有に
- 視線が合った瞬間よりも、“共に何かを楽しんだ”記憶を残す
視線のやりとりは“心のやりとり”の副産物。だからこそ、まずは安心が何より大切です。
まとめ|“見る”は信頼の入り口。外遊びでそのきっかけを増やそう
子どもが自分から「相手を見る」には、
- 安心できること
- 強制されないこと
- 楽しみながら“共有”できること
この3つの土台が欠かせません。
外遊びは、その土台を自然に作ってくれる場所です。
目が合った瞬間だけでなく、
「一緒にいたね」「楽しかったね」と思える体験こそ、視線を交わす第一歩。
焦らず、その子のペースに寄り添っていきましょう。
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