「座っていられない」「すぐグニャッとする」には理由がある
- 地面に座ると、すぐに横に倒れる
- しゃがむとお尻がつかず、ふらふらしてしまう
- ブランコに座っても姿勢が安定しない
「体幹が弱いのかな?」「落ち着きがない?」と感じることもあるかもしれません。
でも、
姿勢が崩れやすい子には、身体の感覚入力や筋力の使い方に特徴があることがあります。
この記事では、作業療法士パパの視点から、「姿勢が崩れやすい子」の外遊び支援についてご紹介します。
姿勢が崩れやすい=筋力がないだけではない
- 身体のどこに力を入れていいか分からない(固有覚の未発達)
- 重力に逆らう力を調整しにくい(前庭覚の働きが不安定)
- 「正しい姿勢」がどういう状態か分かりづらい
姿勢保持は、筋力だけでなく「自分の体の状態を感じとる力」も必要です。
外遊びが“姿勢の土台づくり”にぴったりな理由
- 地面・坂・不安定な場所など、さまざまな姿勢保持が自然に求められる
- 体のバランスを取りながら遊ぶ場面が多く、感覚入力が豊富
- 楽しみながら筋力・バランス・姿勢感覚が育つ
室内では難しい“全身を使った感覚刺激”が、外遊びでは自然に得られます。
OTパパおすすめ|姿勢づくりを促す外遊び5選
1.ゆるやかな坂道の登り降り
- 登りはお尻・体幹・足をバランスよく使う
- 下りは重力に逆らいながら姿勢をコントロール
育つ力: 体幹の安定・足の踏ん張り・重心移動感覚
2.でこぼこ道・芝生の上を歩く
- 不安定な地面でバランスを取りながら歩く練習に
- 姿勢を保つ微細な筋肉のコントロールが育つ
育つ力: 固有覚・姿勢反応・調整力
3.木や遊具によじ登る(小さな段差からでOK)
- 垂直方向に体を支える力を使う
- 体の使い方・重心の感覚を育てる
育つ力: 引く・支える筋力・上下肢協調・バランス感覚
4.砂場で四つ這い・しゃがみ姿勢の遊び
- 姿勢を崩しにくい“低重心”の中で、体幹を意識できる
- 遊びながら姿勢保持の経験を積める
育つ力: 体幹の持久力・姿勢制御・集中の持続
5.バランス遊具(平均台・ロープ・石渡りなど)
- 緊張しすぎず楽しみながら姿勢を整える練習に
- “崩れたら戻す”感覚を自然に体験できる
育つ力: 姿勢再調整・バランス感覚・重力への適応力
声かけ・関わり方の工夫|「いい姿勢だね」より「ぐらっとしても戻れたね」
- 「崩れない」ことより、「崩れても立て直せた」ことを評価する
- 「今、体がまっすぐだね」→姿勢感覚の言語化を助ける
- 「どっちの足に体重かかってる?」→体への注目を促す
姿勢は“失敗しながら育つもの”。できた・できなかったではなく“感じる経験”を大切にしましょう。
まとめ|“正しい姿勢”を目指すより、“動ける体”を育てよう
姿勢が崩れやすい子は、
- 筋力だけでなく、感覚や体の認識の面で支援が必要なことがあります
- 外遊びは、“全身を使いながら姿勢づくりの練習ができる最高の場”です
体幹やバランスの力は、“遊びの中で自然と育つ”のがいちばん。
まずは楽しく、そして少しずつ。
“動ける体”を一緒に育てていきましょう。