「すぐにゴロンと寝転んでしまう…」
「イスに座っても、グニャッと崩れて集中が続かない…」
「“ちゃんと座って”と何度も注意してしまう…」
そんな“姿勢が崩れやすい子”に、どう関わればいいか悩んでいませんか?
わが家でも、食事中やお絵かき中にどんどん姿勢が崩れていき、
「また寝てるの!?」「イスから落ちそう!」と声をかけてばかりの時期がありました。
でも作業療法士として子どもと関わってきた経験から言えるのは、
“姿勢が保てない”のはやる気の問題ではなく、“体の準備がまだ整っていない”からだということ。
この記事では、姿勢が崩れやすい子に向けた原因理解と、家庭でできるサポートの工夫を紹介します。
姿勢が崩れやすい子の背景にあること
- 体幹(コア)の筋力が弱く、姿勢を支えるのがつらい
- バランス保持や抗重力姿勢の保持が苦手
- 筋緊張が低めで、力が抜けやすい
- 座位姿勢に集中力を奪われ、活動に集中しにくい
わが家で効果があった5つの工夫
1. “姿勢を支えやすいイス”に変えた
姿勢保持が苦手な子には、イス選びが超重要。
足が床につかない/背もたれにフィットしていないだけで、
すぐに姿勢が崩れてしまっていました。
クッション+足台などで調整しただけでも、座位時間が激変!
2. バランス感覚や体幹を育てる遊びを日常にプラス
“座る”力は、遊びの中で育つ。
平均台ごっこ、クッション渡り、雑巾がけ、
全身を使った遊びで、自然と体幹が育ってきました。
3. “短時間だけ集中→こまめに休憩”のスタイルに
ずっと座ってろ、は無理!
「5分描いたら、ちょっとのびー」
「30秒立ってストレッチしてからまた座ろう」など、
“崩れる前に動かす”ことで、ぐにゃ座りが減少。
4. ゴロンと寝る前提で“床でできる学び場”もつくった
体が崩れるなら、崩れてもできるスタイルでOK。
テーブルじゃなく、床にシートを敷いて学習スペースを作ると集中できたこともありました。
5. 姿勢よりも“やりたい気持ち”を大事にした
「ちゃんと座って」より、「やりたい気持ちを支える」視点で。
姿勢だけに注目せず、「描いてるね」「考えてるね」と声をかけると、
自然と姿勢も整っていく場面が増えました。
よくある質問Q&A
Q:グニャッと座ってしまうのはクセ?甘え?
→いいえ、それは筋力・バランス・感覚の未成熟による自然な反応です。
「姿勢が崩れる=だらしない」ではありません。
環境と工夫でサポートすることで、“座れる力”は自然と育ちます。
実際に使ってよかったおすすめグッズ
【姿勢サポート椅子(クッション付)】
「膝、足がつくだけで、こんなに安定するなんて…!」と感動。
足がぶらぶらだと、体幹が不安定になりやすい。
足台・クッションのフィット感で大きく変わりました。
【体幹トレーニング遊具(バランスストーンなど)】
遊びながら“座る力”が育つ!
不安定な足場の上を歩くだけでも、自然とお腹と背中の筋肉を使う。
楽しく取り組めるのがポイント。
【姿勢リマインダー用タイマー】
「集中切れてきた?」を声ではなくツールで。
タイマーを使って「そろそろ休憩しよっか」を提案すると、
お互いにストレスなく姿勢調整ができました。
まとめ|“座れない”を責めず、“座れる環境”をつくる
姿勢が崩れる子に必要なのは、
叱られることでも、「もっと頑張れ」でもなく、
- 合ったイスや机の高さ
- 動いてOKな学習スタイル
- 日常で体幹を育てる遊び
そんな“座れるようになるための環境”と、
「姿勢も頑張ってるね」と見守る視点です。