「出かけるたびにぐずる…」
「靴を履かせようとすると全力で拒否!」
そんなふうに、靴の履き脱ぎに時間がかかって毎回バトルになること、ありませんか?
わが家でも、玄関での“攻防戦”が日課のようになっていた時期がありました。
でも、作業療法士として子どもの発達や感覚に向き合ってきた立場から言えるのは、
“履きたくない”“うまくできない”には、それなりの理由があるということ。
この記事では、「嫌がる背景」に寄り添いつつ、遊びや工夫を通して“履いてみようかな”の気持ちを育てる方法をお伝えします。
靴を嫌がるのは「やりたくない」だけじゃない
こんな原因、思い当たることありませんか?
- 感覚が敏感で、履いたときの違和感が強い
- つま先が当たる・足幅が合わないなど、サイズが合っていない
- “できない”ことへの不安から、そもそもやろうとしない
- 時間を急かされて、玄関で焦ってしまう
つまり、「わがまま」ではなく、
“感覚・発達・経験の積み重ね”に課題があることが多いんです。
わが家で効果があった5つの工夫
1. おうちで“靴を履くごっこ”から始める
“おでかけ=イヤな時間”になる前に、楽しい場面で履く練習を。
ぬいぐるみに靴を履かせる、室内でスリッパレースをする…
遊びながら「足にモノを履く感覚」に慣れてもらうところから始めました。
2. 足に合った靴を選び直した
「履き心地」が悪いと、そもそも履く気にならないのは大人も同じ。
計測サービスを使ってサイズを見直し、つま先が広め・やわらかい素材の靴に変えたら、
「履いてみようかな」と思える様子が見られるようになりました。
3. ステップ付きの椅子を玄関スペースに設置
足を上げやすくなる+落ち着いて座れることで、履きやすくなる。
玄関に踏み台や小さな椅子を置くと、片足立ちせずに済み、履きやすさが段違いにアップ。
「座って履く」が習慣になり、本人も落ち着いて取り組めました。
4. 靴の向きシールで“自分で履けた!”体験を
左右の向きがわかるだけで、自信がグッとつく。
靴の中に「動物がつながる」シールを貼ると、
「こっちがこっち!」と自分で気づいて履こうとする姿が増えました。
5. 靴を“自分で選ばせる”と気持ちが前向きに
選ぶことで「自分でやる感覚」が芽ばえる。
「今日はどの靴にする?」と選ばせるだけで、
“履くこと”に向かう意欲が明らかに変わりました。
カギは「安心できる感覚」と「自分でできる喜び」
靴を履くって、意外と複雑。
バランスをとりながら足を入れ、手を動かして調整して、最後に立ち上がる。
だからこそ、「怖くない」「気持ちいい」「できたかも」と感じられる環境や声かけが、すごく大切なんです。
よくある質問Q&A
Q:2歳半でまだひとりで靴が履けません。大丈夫?
→はい、まったく問題ありません。3歳以降でできるようになる子も多いです。
まずは“できそう!”と感じる環境と練習機会を増やすことが、ステップアップの近道です。
実際に使ってよかったおすすめグッズ
【IFME(イフミー)】足育サポートシューズ
つま先が広くて柔らかいから、“履きたくなる靴”だった。
軽くて柔らかく、足の動きにフィットする設計。
「これなら大丈夫そう」と子どもが自分から履いてくれた、救世主的1足です。
【靴を脱ぎ履き用に踏み台】
“立って履くのはムリ”な子には、座れる安心感を。
片足立ちが苦手な子・バランスが不安定な子には、座って履ける仕組みがマスト。
高さもちょうどよく、安全に履ける環境が整いました。
【左右識別シール】動物つなげるタイプ
「できた!」が視覚からサポートされるアイテム。
右左がわからなくても、絵が合えばOK!
貼るだけで“履けた体験”が増えるシンプルだけど効果的なグッズです。
まとめ|“自分でできた”が、自信につながる
靴を履くのが苦手なのは、「がんばっていない」わけじゃない。
その子なりにがんばっているけど、ちょっと難しい・ちょっと不快なんです。
だからこそ、「少しでもやろうとした」「今日は足を入れてみた」
そんな一歩を見つけて、「できたね!」を一緒に喜ぶ時間にしていきましょう。