
はじめに
実家にある大量のモノたちを目の前にして、「何から手をつければいいのか…」と立ち尽くしたことはありませんか?
この記事では、私自身が母と一緒に実家を片付けるなかで経験した葛藤や、実際に役立った進め方、プロの活用法まで、体験と手順を交えて詳しくお伝えします。
実家の片付けは、単に“モノ”を整理するだけではありません。
親の気持ち、家族の関係、そして自分自身の想いと向き合う時間でもあります。
こんな人におすすめ
- 実家の片付けを始めたいけど親の反発が怖い
- 自分ひとりでは手に負えないと感じている
- 兄弟と温度差があって動けない
- プロに頼むか迷っている
- 思い出の品をどう処理すればいいか悩んでいる
母が転倒したことがきっかけだった
「お母さんが玄関で転んだらしい」
連絡を受けて駆けつけたとき、母は「新聞の束につまずいたの」と笑っていたけど、私は笑えませんでした。
実家の玄関は、いつからか物置になっていました。
チラシ、新聞、買い物袋、傘、段ボール。足の踏み場がないほどでした。
母は「取っておいたほうが便利」と言っていたけど、もはや危険そのもの。
その日から、私の頭の片隅にずっと「このままではいけない」が残り続けました。
「片付けよう」と言っても拒絶された
思いきって母に言いました。
「玄関、ちょっと危ないと思うよ。片付けようか?」
でも、返ってきたのは予想外の言葉でした。
「何が危ないの?私は困ってないよ」
「人の家のことに口出ししないで」
私は心配して言っただけなのに。
でも母にしてみれば、“勝手に判断された”ように感じたのでしょう。
その日は深追いせず帰りましたが、胸の中にはモヤモヤが残りました。
一緒に“思い出話”から始めてみた

どうしたら嫌がられずに進められるか——。
私は、片付けではなく「懐かしさ」にアプローチすることにしました。
次に実家に行ったとき、アルバムを取り出して母に言いました。
「このときの服、まだ持ってるよね?」
「このカップ、まだ棚にあったけど使ってる?」
母は少し笑って、「懐かしいわね」「もう使ってないけど、見ると安心するのよ」と話してくれました。
そのとき気づいたのです。
母にとっての“モノ”は、“記憶”とつながっていることを。
母の言葉で変わった私の意識
「捨てるのが嫌なんじゃなくて、忘れてしまいそうで怖いのかもね」
母がそう言ったとき、私はハッとしました。
片付けは「捨てる作業」ではなく、「想いを整理する作業」なのかもしれない。
そう思ったら、少しずつ母のペースに寄り添って進めようと思えるようになったのです。
実家の片付けを進める5つのステップ
ストーリーの中でも紹介しましたが、ここでは実際に効果があった「片付けの進め方」をステップごとにまとめて紹介します。
1. 片付けの目的を明確にする
まずは「なぜ片付けるのか?」をはっきりさせましょう。
私の場合は「母の安全確保」が最優先でした。
他にも、
- 相続や売却を視野に入れている
- ゴミ屋敷化を防ぎたい
- 親の暮らしを快適にしたい
目的によって、取り組む範囲やスピード感も変わります。
2. 最初に手をつける場所を決める
いきなり母の部屋や思い出の品に触れるのはNGでした。
最初は「共有スペース」から始めるのが正解。
- 玄関(転倒リスクのある場所)
- キッチン(使っていない調理器具や食器が多い)
- 廊下・脱衣所(よく使う場所ほど改善効果が高い)
玄関にあった新聞を一緒に整理して、「ここスッキリしたね」と言えたことで、母も少しずつ前向きになっていきました。
3. 思い出の品は“保留箱”に入れる
どうしても母が迷ってしまうものは「とりあえず保留箱へ」。
- 「あとで見直す」
- 「一時的に別の場所に移す」
- 「写真に残す」
このやり方で、「無理に捨てさせられてる感」が減り、母自身が少しずつ手放す決断をしていくようになりました。
4. 家族(兄弟)と温度差があるときは?
実は、兄とは意見がぶつかりました。
「母のことを思ってやってるのに、なんでわかってくれないの?」
私がそう思っていた一方で、兄は「無理やり進めているように見える」と感じていたようです。
解決策は、「進捗と目的を共有すること」でした。
- 作業前後のビフォーアフター写真を送る
- なぜここを片付けたのか、簡単にメッセージを送る
- 「母の安全のため」と目的を繰り返し伝える
納得感を共有することで、協力体制が整いました。
5. 限界を感じたらプロを頼るのも一つの手
最初は「赤の他人を家に入れるなんて…」と母も抵抗していました。
でも、私は疲れ果ててしまっていて、
「プロに相談するだけでもいいから」と提案。
思い切って連絡したのは、高齢者対応に慣れた片付け支援業者でした。
優しい口調で母の話を聞いてくれ、見積もりも明朗。
母も「この人なら安心」と感じたようで、
「じゃあ少し手伝ってもらおうかしら」と前向きになってくれたのです。
実際にかかった費用感と感想
お願いしたプランは、3時間作業+ゴミの回収込みで約2万円。
「高いかな」と思いましたが、
母の表情が柔らかくなり、何より私自身のストレスも減ったことで、「頼んでよかった」と心から思いました。
ポイントは「福祉整理」や「生前整理」に強い業者を選ぶこと。
最近では無料見積もりやオンライン相談ができるところも多いので、比較しながら検討するのがオススメです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 実家の片付けはどこから始めるのが正解ですか?
A. 「玄関」や「キッチン」などの共有スペースから始めるのが効果的です。
親の個室や思い出の品は感情的な抵抗が強いため、後回しにするとスムーズです。
Q2. 親が全然片付けに乗り気じゃない場合はどうすれば?
A. 強引に進めず、まずは“共感”から。
「これ、懐かしいね」「今も使ってる?」といった会話を通じて、思い出の共有からスタートするのがコツです。
Q3. 遠方に住んでいてなかなか手伝えないのですが…
A. 実家近くの片付けサービスを使う方法があります。
最近は訪問相談やオンライン見積もりにも対応している業者もあり、信頼できる第三者に相談するだけでも状況が好転することがあります。
Q4. 親が認知症気味で、整理を嫌がってしまいます
A. 医療・福祉の専門職やケアマネージャーと連携する方法もあります。
また、福祉整理の知識を持つ片付け業者であれば、心理面の配慮もしてくれるので安心です。
Q5. プロに頼むと高額じゃないですか?
A. サービス内容や地域にもよりますが、1〜3万円台の定額プランが主流です。
一度に全部を頼むのではなく、「一部だけ」「アドバイスだけ」など相談の仕方次第で費用を抑えることも可能です。
最後に|片付けは“記憶の整理”でもあった
実家の片付けは、単にモノを処分する作業ではありません。
それは親の生き方や記憶に触れ、自分のこれからを見つめ直す“心の整理”でもありました。
母が最後に言った一言が忘れられません。
「スッキリして、なんだか心まで軽くなった気がするわ」
その笑顔が、私にとって何よりの“成果”でした。
あなたも、自分や家族のために、今できる一歩から始めてみませんか?
無料で相談できる片付けサービスはこちら
どうしても一人で進めるのが難しいと感じたら、
「片付けに慣れたプロの手を借りる」という選択肢もあります。
- 高齢者の心理に配慮した対応
- 生活動線を考慮した整理整頓
- 写真・仏壇・貴重品などへの配慮あり
- 必要に応じて不要品の処分も代行
あなたにとっての「ちょうどいい片付け方」を見つけよう
片付けは、正解があるようでないもの。
大切なのは「誰のために」「何のために」整理するのかを見失わないこと。
思い出を尊重しながら、生活を少しずつ整えていく。
そんな片付け方を、これからも私たちは考えていきたいと思います。
関連記事はこちらもおすすめです
- 生前整理で出た不用品、どうする?失敗しない処分方法とおすすめサービス
- 家事がしんどくなる前に頼れるサービスとは?
- 子育て・発達支援・ライフステージ別に備える|わが家の保険見直しガイド
- 定年後に見直すべき保険とは?|老後資金を守る3つのポイント
はじめてこのブログに来てくださった方へ
このブログでは、
子育て・夫婦のライフプラン・保険の見直しなど、
暮らしの中で「ちょっと気になってきたこと」を、やさしく整理してお届けしています。
結婚、出産、育児、そしてこれからの備え――
「わが家に必要なこと」を一緒に考えたい方は、ぜひこちらのページもご覧ください。