ルールを学べる遊び5選|社会性と集団の準備に

tamutamu

作業療法士のパパと、しっかり者のママ。
夫婦で子育てに向き合いながら、
わが家の日常や役立つ育児のヒントを
ゆるっと発信しています。
「家族っていいな」と思えるような、
あたたかい場所をめざして運営中です。

「集団行動が苦手」「すぐルールから外れてしまう」そんな不安、ありませんか?

  • すぐに自分のやり方で動いてしまう
  • 順番が守れない、待てない
  • お友達とトラブルが起きやすい
  • 指示が通らず、集団の活動に入るまでに時間がかかる

こうした姿を見て、「うちの子、集団生活でやっていけるかな…」と不安になることもありますよね。

でも、これらは“できない”のではなく、練習の経験が少ないだけということがほとんど。

作業療法士として、そして育児中のパパとしても、
「家庭の遊びの中で、社会性の種まきをすることができる」と日々感じています。


「ルールを守る」には、3つの力が必要です

1.話を“聞く”力(聞いて理解する)

ルールや指示を理解するには、注意を向けて、覚えておく力が必要です(ワーキングメモリとも言われます)。

例えば、「サイコロをふって、その数だけ進むよ」というルール。
これをただ聞くだけでなく、「どうするのか」「いつやるのか」を頭に残しておく必要があります。

💡 遊びながら“聞く力”を育てる経験がとても重要です。


2.“順番を待つ”力(抑制と見通し)

「やりたい!」という気持ちを一度止めて“待つ”というのは、小さな子にとっては本当に難しいこと。

でも、「次は自分の番が来る」「終わりがある」と見通しを持てることで、落ち着いて待てるようになります

📌 ポイントは、“見える順番”“終わりが見える遊び”を取り入れること。


3.負けたり、思い通りにならないことを“受け止める力”

ゲームに負ける、順番が回ってこない、ルール通りに進まない…
こうした経験は、子どもにとって感情が大きく揺れる体験です。

でも、その中で「どう気持ちを落ち着けるか」「どう折り合いをつけるか」を学ぶことができます。

📌 家庭の中で小さな“思い通りにならない”経験を遊びに取り入れるのがコツです。


家庭でできるルールを学べる遊び5選

1.すごろく遊び|順番・数・見通しの練習に

  • 「順番にサイコロをふる」「数だけ進む」など、複数のルールを理解する経験
  • ゴールが見えているので「終わりがある」「自分の番がくる」がわかりやすい
  • 「一回休み」「歌をうたう」などのオリジナルマスを入れると、楽しさ倍増!

💡 絵や色のサイコロにアレンジすれば、数字がわからない年齢でも楽しめます。


2.かるた遊び|聞く→探す→反応する力を育てる

  • 読まれた言葉を“聞いて理解し”、瞬時に反応する力を育てる
  • 自分の番以外は“待つ”という抑制の練習にもなる
  • オノマトペや絵だけのかるたなら、未就学児でも参加しやすい

💡 「お手つきしてもOK」「ゆっくり探していいよ」など柔らかいルールにすると、安心して取り組めます。


3.「〇〇したらカード」遊び|順番・ルールの視覚化

  • 「お着替えしたらカードを1枚」「歯みがきしたらカードGET」など、生活の中の行動をゲーム化
  • 見通しが弱い子にも“やることが見える化”されて取り組みやすい
  • 終わったら褒める、シールを貼るなど“やった感”をしっかり味わえる仕組みに

💡 朝の支度や夜のルーティンをこれで楽しく乗り切る家庭も多いです!


4.ルールのあるごっこ遊び(店員・患者・運転手など)

  • 「○○してください」「○○をください」など、定型のやりとりにルールが含まれている
  • 医者と患者、店員とお客さんなど“交代する”遊びで自然と順番の感覚が育つ
  • 親が「次の人どうぞ」「1人ずつお願いね」と声をかけることで、意識が深まる

💡 ごっこ遊びは“遊びの中で社会性を育てる最高のフィールド”です。


5.ミッション遊び・お手伝い遊び

  • 「まずタオルをたたんで→次にテーブルを拭く」など、ルールに沿って順にこなす体験
  • 完了後に拍手やご褒美シールで“やり切った感”が持てる
  • 「今日はミッションがあるよ!」と声をかけると、やる気スイッチが入る子も!

💡 指示理解、行動の切り替え、達成の成功体験が一度に得られる万能遊び。


遊びのポイント|怒らず、面白く、“体験”を重ねよう

ルールを守れなかった時、思わず「なんで守れないの!」と言いたくなることもあるかもしれません。

でも、大切なのは“怒る”ことより、“体験を重ねる”こと。

  • 「いまのルール、もう一度一緒に確認しようね」と優しくリセット
  • 「どうしてそうしちゃったのかな?」と、本人の気持ちに寄り添ってみる
  • 「ちゃんと待てたね」「お話、最後まで聞けたね!」と、“できた”を見つけて言葉にして伝える

💡 子どもは「できた!」という経験の中で、自信とルール理解を育てていきます。


まとめ|ルールを“守らせる”より、“育てる”関わりを

子どもがルールを守れないとき、「ちゃんとしなきゃ!」と思ってしまうのは親として当然のこと。

でも実は、ルールって教えるものじゃなくて、“遊びの中で自然に育っていくもの”なんです。

まずは今日できそうな遊びを1つだけ試してみてください。
ルールに出会い、試し、失敗して、また挑戦する――その積み重ねが、未来の社会性を育てていきます。


あわせて読みたい

■発達ゆっくり・グレーかもと思ったときに家庭でできること
将来が不安なあなたへ|発達グレーの子に使える支援制度まとめ


■外遊びで“関わり”と“ルール”を育てるヒント
外遊び×発達支援まとめ


  • この記事を書いた人

tamutamu

作業療法士のパパと、しっかり者のママ。
夫婦で子育てに向き合いながら、
わが家の日常や役立つ育児のヒントを
ゆるっと発信しています。
「家族っていいな」と思えるような、
あたたかい場所をめざして運営中です。

-発達支援