「またケンカ…」の背景には“気づきにくさ”があるかも
- 一方的に自分のルールで進めようとする
- お友達の気持ちを無視してしまうように見える
- 気づいたらトラブルになっている…
「なんでいつもケンカになっちゃうの?」
「もしかしてわざとやってるのかな?」
実は、“悪意”ではなく“ズレに気づきにくい特性”から来ている場合もあります。
この記事では、作業療法士パパの視点から、お友達とのトラブルが多い子に向けた外遊び支援の工夫をご紹介します。
トラブルになりやすい子に共通する特徴とは?
- 相手の表情・気持ちの変化に気づきにくい(視線・表情の読み取りが弱い)
- ルールや順序にこだわりすぎて、柔軟に動けない
- 「自分は悪くない」と思ってしまい、振り返ることが難しい
トラブル=悪いこと、ではなく、「どう関われたらよかったか」を経験することが大切です。
外遊びが“対人の気づきと調整”を育てる理由
- 関わりが自然に生まれ、予想外の展開が多い
- 感情やルールが行動として“目に見える”場面が豊富
- 大人がそばで観察・仲介しやすく、フィードバックを伝えやすい
外遊びは、リアルな人間関係の“練習の場”として最適です。
OTパパおすすめ|トラブルを減らすための外遊び5選
1.ルールがシンプルな“交互”の遊び(シャボン玉・ジャンプ遊びなど)
- 自分と他者の番を交互に繰り返すことで、待つ・譲るが体感できる
- 自然と「次はあなた」になる構造が理解しやすい
育つ力: 他者意識・順序理解・ルールの共有
2.目的が共有される遊び(石集め競争・お宝探しなど)
- “勝ち負け”より“協力して進める”体験が生まれる
- 相手の動きを見る・合わせる経験に
育つ力: チーム意識・共感・目標の共有
3.少人数でのロールプレイ(お店やさん・虫の家づくりなど)
- 役割をもって関わることで「相手の立場」を意識できる
- ごっこ遊びの中で自然な対人調整が育つ
育つ力: 役割理解・相互理解・感情の代弁
4.“ケンカになりやすい場面”をあえて見守る遊び(すべり台の交代など)
- トラブルが起きたときに大人がそっと仲介
- 「何が起きた?」→「どうしたらよかった?」の対話ができる
育つ力: 状況の理解・視点の切り替え・フィードバックの受容
5.「うまくいった!」場面を一緒に振り返る
- トラブルがなかった時間を言葉にして一緒に喜ぶ
- 「どうやってうまくできたか?」を一緒に見つける
育つ力: 自己理解・成功体験の定着・自己調整力
声かけ・関わり方の工夫|「ダメ!」ではなく「どう感じたかな?」
- 「あのとき、相手はどう思ったと思う?」→相手の視点を促す
- 「次はどんなふうに声をかけてみる?」→代替行動の提案
- 「今うまくできてたね!」→できたときこそフィードバックを
トラブル=叱るタイミングではなく、「振り返って育てる」チャンスです。
まとめ|“失敗してもやり直せる”関係性の中で、調整力は育つ
お友達とのトラブルが多い子は、
- 相手の気持ち・自分の言動・ルールの理解にズレがあるだけかもしれません
- 外遊びは、そうしたズレに“気づく・やり直す・うまくいく”の体験を自然に積める環境です
「うまくいった!」経験の積み重ねが、関係づくりの自信と力になります。