「疲れているのに寝ない…」と悩む夜
- 1日たくさん遊んだはずなのに、なぜか寝ない
- ベッドに入ってからもゴロゴロ、モゾモゾ…30分以上たっても寝つけない
- 「明日早いのに…」と焦る気持ちが強くなる
そんな夜、ありませんか?
実は、「体を動かした=疲れてすぐ寝る」というわけではないんです。
子どもの睡眠には、“体の疲れ”だけでなく“感覚の整理”や“心の落ち着き”が関係しています。
この記事では、作業療法士の視点から、「よく眠れる体と感覚」を外遊びで整えるコツをお伝えします。
寝つきの悪さは“体と感覚の整い”に関係がある
子どもがなかなか寝つけないとき、背景にはこんなことがあるかもしれません:
- 感覚が過敏で、布団の感触・部屋の音・光に敏感
- 興奮状態が続いていて“気持ちが落ち着かない”
- 体を十分に動かしていない、または動かしすぎて疲労困憊
- 一日の中で“切り替え”のタイミングが少ない
「なんで寝ないの?」よりも、「どうしたら落ち着ける?」を一緒に考えることが大切です。
外遊びが眠りの土台を整える理由
- 適度な運動と日光が、体内時計のリズムを整える
- 前庭覚・固有覚など“体の深い感覚”に働きかけることで、落ち着きやすくなる
- 五感をバランスよく刺激することで、感覚の過敏さが和らぐこともある
- 遊びの中で“区切り・切り替え”の体験をすることで、寝るモードに入りやすくなる
OTパパがすすめる「よく眠れる」外遊び5選
1.ゆらゆら系あそび(ブランコ・ターザンロープ・ハンモック)
- 前庭覚(バランス感覚)をやさしく刺激
- ゆっくりしたリズムは気持ちを落ち着ける効果も
整う力: 身体の安心感・気持ちの安定・寝る前の準備スイッチ
2.重力に抗うあそび(坂道のぼり・すべり台の階段・木登り)
- 筋肉や関節にしっかり刺激が入る(=固有覚)
- 「ぐっ」と力を使うことで、落ち着く子も多い
整う力: 体の感覚の調整・情緒の安定
3.感触をたっぷり使うあそび(砂場・泥んこ・葉っぱ集め)
- 手や足でじっくりと感触を楽しむことで、触覚の過敏をやわらげる
- 「気持ちよさ」を味わう体験が心地よい疲れにつながる
整う力: 触覚の整理・リラックス感・入眠前の穏やかな感情
4.水あそび(川・バケツ・噴水など)※日中・気温に応じて
- 水の冷たさ・流れ・重さを感じることが全身刺激に
- 終わった後の「タオルでふく・着替える」流れも切り替え体験に◎
整う力: 感覚の整理・体温変化での切り替え・入浴前の前段階としてもおすすめ
5.スタートと終わりがある運動(ジャンプでゴール・障害物ごっこ)
- 「始まり」「終わり」のあるあそびは“行動の切り替え”を促す
- 「今日はここまで」という区切りが、“寝る時間”のイメージにもつながる
整う力: 切り替え力・活動の収束・就寝前のルーティン意識
声かけ・関わりの工夫|“夜に向かう流れ”をつくる
- 「今日はいっぱい動いたね」→ 子ども自身が疲労感に気づく手助け
- 「お風呂までにあと2回ジャンプしたら帰ろう」→ 遊びの終わりを楽しく区切る
- 「お風呂のあとは、おやすみ準備タイムだよ」→ 流れを“言葉で予告”する
ポイントは「昼間の遊び」から「夜の眠り」へ、自然につながるリズムを意識することです。
おわりに|眠りも“育てる力”のひとつ
「疲れてるのに、なぜ寝ないの…」
親としても困るし、イライラしてしまう日もあります。
でも、子どもの眠りには、
- 心の落ち着き
- 感覚の整理
- 体の安心感
この3つが必要です。
外遊びは、それらをゆるやかに整えていくチャンスにあふれています。
「よく眠れる体」を、昼間から少しずつつくっていきましょう。
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メタディスクリプション: 寝つきが悪い子に悩む親へ。作業療法士パパが、外遊びを通して“よく眠れる体と感覚”を整える関わり方と遊びのヒントを紹介します。