「言葉が通じにくい子」に外遊びでできること|“ことば以外”で育つコミュニケーション

tamutamu

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「話しかけても通じない…」そんな時こそ、言葉以外の関わりが力になる

  • 呼んでも反応がない
  • 指示がうまく伝わらない
  • 会話がすれ違ってしまう

「ちゃんと聞いてる?」「わざと無視してる?」と感じてしまうこと、ありませんか?

でも、

それは“通じない”のではなく、「まだことばでのやりとりに慣れていない」だけかもしれません。

この記事では、作業療法士パパの視点から、「言葉が通じにくい子」と外遊びを通して“ことば以外のコミュニケーション”を育む方法をご紹介します。


言葉が届きにくい子の背景には“感覚”や“注目”の特徴があることも

言葉が通じにくい原因はさまざま。

  • 耳では聞こえていても、聞いた内容が整理しきれない(聴覚処理の難しさ)
  • 目の前の刺激に集中していて、話しかけに気づけない(注意の切り替え)
  • 抽象的な言葉の意味がわからない/曖昧さが苦手

「通じない」のは“理解していない”からではなく、“受け取りにくい状況”なのかもしれません。


外遊びが“ことば以外のやりとり”を育てる理由

  • 一緒に遊ぶ中で、言葉なしでも「目線」や「動き」で気持ちが伝わる
  • 指さし・身振り・表情など“非言語”のやりとりが自然と増える
  • 遊びの流れで、「待つ」「合わせる」「真似る」などの力が育つ

外遊びは、“言葉が少なくても通じ合える”経験の宝庫です。


OTパパおすすめ|非言語コミュニケーションを育てる外遊び5選

1.ボールを転がす・渡す遊び

  • タイミング・視線のやりとり・順番の感覚を育てる

育つ力: 共同注意・アイコンタクト・やりとりの流れ


2.まねっこ遊び(ジャンプ・くるくる回るなど)

  • 言葉より“動き”で関わる
  • 「見て、真似る」力が自然に育つ

育つ力: モデリング力・模倣・感覚の共有


3.シャボン玉・紙飛行機など「見る」「追う」遊び

  • 一緒に“同じものを見る”→共有体験から気持ちが近づく

育つ力: 共同注視・空間認知・感情の共有


4.“協力型”の簡単ゲーム(石拾いリレー/水運び)

  • 「言葉で説明しない」前提でも成立する
  • お互いに動きを合わせながら、自然に関わりが生まれる

育つ力: チームワーク・非言語理解・行動の一体感


5.「指さし」や「道案内」ごっこ

  • 手で示す/場所を探す中で“ことばに代わる伝え方”が身につく

育つ力: 表現のバリエーション・視線の誘導・思考の共有


声かけ・関わり方の工夫|“伝えようとする姿”を認める

  • 「わかってくれてうれしい!」と感じる瞬間を増やす
  • 「言えなくても、ちゃんと伝わってるよ」と伝える
  • 「目が合った」「まねしてくれた」など、小さな反応を見逃さず褒める

大切なのは“会話”より“関わり”。「一緒にいる心地よさ」こそが土台になります。


まとめ|「ことばが少なくても、ちゃんと伝わる」体験が信頼を育てる

言葉に頼らない外遊びの中で、

  • 目が合う
  • 一緒に笑う
  • 同じタイミングで動く

そんな“ささやかなやりとり”の積み重ねが、

「この人とは、ちゃんと通じ合えるんだ」という信頼を育てていきます。

言葉が増えるのを待つ前に、

「今できるコミュニケーション」を大切にしてみませんか?


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