はじめに
「ちゃんと聞いてるの?」
「何度言っても反応してくれない…」
子どもへの声かけが届かないと、ついイライラしたり、焦ったりしてしまいますよね。
私自身、作業療法士として子どもと関わってきた経験があるのに、
わが子にはうまく伝わらない…と悩んだことが何度もあります。
でも、実は“言葉が届かない”のではなく、届きやすくする工夫が足りなかっただけだったと気づいたんです。
この記事では、子どもに「伝わる」声かけのコツを3つにまとめてお伝えします。
声かけが届かないのはなぜ?
まず大前提として、「言っても聞かない=わざと無視している」わけではありません。
子どもは、
- 言葉を理解する力が発達途中であったり
- 聞こえていても、注意が別のことに向いている状態だったり
- “どう行動していいか”がイメージできていないことも多いんです。
つまり、「声かけ」はしているけれど、“伝え方”が届きにくいだけかもしれません。
コツ① 視覚とセットで伝える
言葉だけで伝えようとすると、子どもはイメージしにくく、理解しづらいことがあります。
そこでおすすめなのが、「見せながら」「ジェスチャー付きで」伝える方法。
たとえば:
- 「おもちゃ片づけて」だけでなく → 実際に片づけ始めて見せる
- 「この服着てね」→ 指差し+服を渡す
視覚情報をセットにすると、子どもは“自分がどう動けばいいか”をイメージしやすくなるんです。
コツ② 選択肢を与える
「今すぐこれをやって」と一方的に言われると、大人でも抵抗を感じることがありますよね。
子どもにも、“選べる余地”を残す声かけをすると、行動に移りやすくなります。
たとえば:
- 「靴履いて!」→「青い靴と赤い靴、どっちにする?」
- 「ごはん食べて!」→「先にごはんとお味噌汁、どっち食べようか?」
行動の主導権を少しでも子どもに渡すことで、イヤイヤを減らしながら前向きに進められます。
コツ③ タイミングに寄り添う
子どもが集中して遊んでいる最中などに声をかけても、まったく耳に入っていないことがあります。
そこで意識したいのが、「今、声をかけるタイミングは合っているか?」ということ。
ポイントは:
- 肩にやさしく触れてから声をかける
- 一度子どもの目線に合わせてから話しかける
- 予告(例:「あと5分でおしまいだよ〜」)をしてから切り替えを促す
“こちらのタイミング”ではなく、“子どもの状況に合わせたタイミング”にすることで、ぐっと伝わりやすくなります。
【体験談】声かけを変えて反応が変わった2歳児とのやりとり
2歳になったころの息子は、朝の準備になるとイヤイヤ全開。
「着替えて!」「歯みがきするよ!」と言っても、知らんぷりで走り回る日が続いていました。
でもある日、「このパジャマとこの服、どっちにする?」と選択肢を渡してみたら、
「これ!」と嬉しそうに服を選んで、そのまま自分で着替えてくれたんです。
さらに、「あと3分でおしまいね」と予告してから歯みがきに誘導すると、自分で切り替える様子も見られるように。
“言い方”ではなく、“届くタイミングと方法”を意識することの大切さを実感したできごとでした。
まとめ|伝え方より“伝わりやすさ”を意識しよう
子どもへの声かけが届かない…と悩んだとき、
つい「もっとはっきり言わなきゃ」「何度も言わなきゃ」と思ってしまいますが、
大切なのは、“伝え方”を強めることではなく、“伝わり方”を変えること。
今日紹介した3つのコツは、すぐに実践できることばかりです。
- 言葉+視覚で伝える
- 選択肢を与える
- 子どものタイミングに合わせる
子どもとのコミュニケーションが、ちょっとだけスムーズになるきっかけになればうれしいです。