「なんでそんなにこだわるの?」の裏には“安心したい”気持ちがある
- 公園の遊具はいつも同じ順番じゃないとイヤ
- 他の子と遊ぶ中で、自分のルールを曲げられない
- 少しの予定変更にもパニックになってしまう
こんな様子に、「わがまま?頑固?」と感じてしまうこともあるかもしれません。
でも、
こだわりが強いのは、“安心したい”“予測したい”という心の反応なのです。
この記事では、作業療法士パパの視点から、こだわりが強い子に向けて、外遊びを通じて“やわらかくなる力”を育てる関わり方をご紹介します。
こだわり=悪いこと?その子なりの“秩序”かもしれない
- 子どもは、「見通しが立たないこと」に強い不安を感じやすい
- 「自分の中のルール」で世界を整理し、安心しようとしている
- こだわりは、“自分を守るための作戦”でもある
無理に変えさせるのではなく、「ちょっと変えても大丈夫だった」という経験を重ねることが大切です。
外遊びが“少しの変化”に慣れるチャンスになる理由
- 開放的な空間で、「逃げる」「やり直す」「見てるだけ」が許されやすい
- 自然の中では、同じことをしていても少しずつ“違い”が生まれる
- 自分のペースで「新しい選択肢」に出会える
外遊びは、「いつも通り」と「ちょっと違う」の間を行き来できる、絶好のフィールドです。
OTパパおすすめ|こだわりの枠をやさしく広げる外遊び5選
1.砂場の「役割変えっこ」ごっこ(店員→お客さん、など)
- 自分のこだわりを守りながら、少し違う立場を体験できる
- 「こっちも楽しいかも」が生まれるきっかけに
育つ力: 柔軟性・模倣力・視点の切り替え
2.「今日は○○公園」ではなく「どっちに行こうか?」の二択外遊び
- “選べる”ことで、変化に対する抵抗感を減らせる
- 「いつもと違うけど、自分で決めたから大丈夫」になる
育つ力: 選択の主体性・見通し・不安の軽減
3.「決まった順番」+「おまけの1つ」をつける遊び
- 「こだわり」を残しつつ、少しずつ“新しい流れ”を取り入れる
- 「これはおまけだからOK」という“心の余白”をつくる
育つ力: 調整力・切り替え力・安心の拡張
4.自然の中の“見つけ遊び”(葉っぱ探し、石探しなど)
- 毎回ちがうものが見つかる→変化に出会うことに慣れる
- 結果が決まっていないことを「楽しむ」経験になる
育つ力: 変化への耐性・好奇心・集中力
5.“他の子とちょっとだけ交わる”遊び(ボール転がし・水のリレーなど)
- 自分のこだわりは守りながら、他者との関わりに少し踏み出せる
- ルールややりとりの中で「違ってもOK」が体感できる
育つ力: 協調性・社会性・柔軟な思考
声かけ・関わり方の工夫|「変えよう」ではなく「選べるように」
- 「どっちにする?」→選択肢の中で変化を受け入れる練習に
- 「昨日はこうだったね。今日はちょっと変えてみる?」→比較の視点で切り替えを促す
- 「いつものもOK。だけど、こっちもいいよね」→こだわりを肯定しつつ、新しい選択肢を示す
子どもの“安心ゾーン”を否定せずに、「その外にも楽しいことがある」と伝えていくことがカギです。
まとめ|“変えさせる”より“変えてみたくなる”関わりを
こだわりが強い子は、
- 自分の世界を守るために「いつも通り」にこだわっている
- だからこそ、その世界の外に一歩踏み出すには「安心」が必要です
外遊びは、「ちょっと違っても大丈夫だった」という成功体験を積むチャンスがたくさんあります。
子どもが自分から「これやってみたい」と言えるように、
関わる大人が“選べる環境”と“やってみたくなる空気”を用意してあげましょう。
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