
この記事はこんな人におすすめです
- 毎日の歯みがきがうまくいかず、子どもとバトルになっている
- 「仕上げ磨きをさせてくれない」と悩んでいる
- 歯ブラシを見るだけで逃げ出したり、泣いたりしてしまう
- 感覚過敏やイヤイヤ期、こだわりの強さで困っている
- 遊び感覚でできる歯みがきの工夫や道具を探している
- 歯医者や保育園で「家でもしっかり磨いて」と言われてプレッシャーを感じている
作業療法士としての視点から、年齢ごとの特徴や家庭で使えるアイテムも紹介しています。
「どうしたら歯みがきを嫌がらなくなるのか」悩んでいる方にこそ、読んでほしい記事です。
はじめに
「歯みがきしよう」と声をかけた瞬間に逃げ出す。
無理にやろうとすれば、泣く・暴れる・口を開けてくれない…。
そんな“毎晩の歯みがきバトル”に、悩んでいるママ・パパも多いのではないでしょうか。
我が家でも、2歳を過ぎたころから「仕上げ磨き拒否」が始まりました。
なんとか磨こうとしても「やだ!」と大暴れ。私もつい強く叱ってしまい、自己嫌悪に陥った日もあります。
この記事では、作業療法士としての専門的な視点と、パパとしてのリアルな体験をもとに、
「歯みがきを嫌がる子」への接し方や環境作りのヒントをお届けします。
子どもが歯みがきを嫌がる理由

子どもが歯みがきを嫌がる理由は、単に「わがまま」や「やる気がない」からではありません。
以下のような発達的・感覚的・心理的な理由が複雑に絡んでいます。
感覚の問題
- 歯ブラシの毛先がチクチクして痛い
- ミントの香りや味が強すぎる
- 口に物を入れられること自体が不快
→ これは「感覚過敏」や「感覚の敏感さ」による反応で、本人にとっては“危険”を感じるくらい嫌なのです。
見通しが持てない不安
- いつまで続くのかわからない
- どうやって終わるのか不明
- 「怖いことが急に起きる」という不安
→ 特にこだわりが強い子や、発達特性のある子は「予測できないこと」が非常に苦手です。
姿勢や環境の違和感
- 仰向けになるのが不安定で怖い
- 保育園ではできるのに家では嫌がる
→ 自宅の照明・温度・親の声かけなど、環境差も子どもには大きな刺激になります。
年齢別に見る歯みがきのつまずきポイント
年齢 | よくある反応 | 特徴と対処のヒント |
---|---|---|
1歳〜2歳 | 歯ブラシを噛む・逃げる | 自分でやりたい気持ちを尊重しつつ、親の仕上げは“遊びの延長”で |
2歳〜3歳 | 「イヤイヤ期」で拒否が強まる | 時間を区切る/タイマーや歌を活用/仕上げ磨きは短時間勝負 |
3歳〜4歳 | 集団生活と家庭で差が出る | 保育園ではやってるのに…と比較せず、安心感を第一に |
4歳〜5歳 | 理屈で理解し始める | 虫歯の絵本・動画を活用し、仕上げ磨きの理由を対話で伝える |
作業療法士として伝えたい、家庭でできる工夫

1. 見通しが持てる仕掛けをつくる
子どもにとって、「いつまで続くかわからない」というのは大きな不安です。
- タイマーを使って「この時間だけ磨こうね」
- 「上の歯→下の歯→奥歯→終わり」と、順番を伝える
- 歯みがき用のうたを1曲流す
こうした工夫で、“終わりがある”ことを伝えるだけで、抵抗感がぐっと減ることがあります。
2. 感覚に合う道具を選ぶ
歯ブラシや歯みがき粉が合っていないと、それだけで不快な体験になります。
- 毛がやわらかいもの
- シリコン製や360度タイプの歯ブラシ
- フルーツ味の無添加歯みがき粉(ミントNGの子向け)
子ども自身に選ばせるのもおすすめです。
「自分で選んだ=自分でやる気持ち」が引き出されます。
3. 姿勢を見直す
- 仰向けだと怖い子 → 親の膝枕で横向きにする
- 目を閉じたくない子 → 天井にステッカーを貼って気を引く
“身体が安心できる”ことは、歯みがきの受け入れにも大きく関係しています。
わが家の実体験
長男が2歳のころ、毎日の歯みがきが地獄のようでした。
「やらない!」「こわい!」と大泣きし、無理にやれば私もイライラ。
そのうち、近づくだけで逃げるようになってしまいました。
そこで、やったことは…
- 歯みがき用のぬいぐるみを登場させ、「一緒にやろう!」とごっこ遊びにする
- 歌を流しながらタイムアタック風にやってみる
- 歯ブラシは息子自身に選んでもらう
少しずつ「嫌じゃないかも…」と思えるようになり、
仕上げ磨きも最後の10秒だけでも受け入れてくれるようになりました。
おすすめグッズの比較表
商品名 | 特徴 | 向いている子 | 価格帯 | 備考 |
---|---|---|---|---|
360度歯ブラシ | どの角度からも磨ける | 自分で磨くのが苦手な子 | 500円〜 | 力加減が要らず扱いやすい |
LED付き仕上げ用歯ブラシ | 口の中が見えやすく、仕上げがしやすい | 暗さが怖い子/奥歯を嫌がる子 | 1,000円〜 | 親のストレス軽減にもつながる |
歯みがき絵本 | 遊びながら歯みがきを覚えられる | 絵本好き・言葉で理解する子 | 1,200円前後 | 保育園でも導入例あり |
シリコン歯ブラシ | 噛んでも安心・口当たりがやさしい | 感覚に敏感な子 | 500〜800円 | 嫌な印象を持ちにくい |
よくある質問(FAQ)
Q1. 歯みがきを嫌がるのは発達の遅れ?
→ 一概には言えません。2〜4歳ごろまでは、感覚の違いや「自分でしたい」気持ちとの葛藤があり、拒否反応はよくある発達過程です。
特にこだわりや敏感さが強い子は、丁寧なアプローチが必要です。
Q2. 歯医者さんを怖がって行きたがらないのですが?
→ 予習が大切です。歯医者の絵本やアニメ、ぬいぐるみに治療するごっこ遊びなどが効果的。
「怖い場所」ではなく「歯を大事にする場所」として伝えていきましょう。
Q3. 保育園ではできるのに家ではダメなのはなぜ?
→ 集団の雰囲気やリズムに乗ってできているだけで、「安心できる家では本音が出る」という子もいます。
家庭での支援は“信頼されている証”ととらえ、環境を少しずつ整えていきましょう。
保険や支援制度について知っておくと安心
- 子どもの定期検診・フッ素塗布は自治体で無料のことも多いです
→ 市区町村の子育て支援センターや保健センターの情報をチェック - 歯科衛生士による口腔指導が受けられることも
→ 発達が気になる子・強い拒否がある子は、小児歯科や発達支援センターに相談を
明日からできる!5つの行動ヒント
- まずは口元を触るだけでもOKとする日をつくる
- 歯ブラシを子どもに選ばせて、“自分のもの”にする
- 歯みがきのうた or タイマーを活用し“見通し”を持たせる
- 無理に押さえつけるのをやめて、失敗しても怒らない
- 「今日はここまでできたね」とポジティブなフィードバック
よくある質問(FAQ)
Q1. 毎日きちんと歯みがきできない日があるけど大丈夫?
A. 完璧を目指すより、「嫌な印象を残さないこと」が大切です。
たとえ1日飛ばしても、長期的に歯みがき習慣が身につけばOK。イヤイヤが強い日は無理せず、翌日に気持ちを切り替えて関わりましょう。
Q2. 仕上げ磨きって何歳まで必要ですか?
A. 一般的には小学校低学年ごろ(7〜8歳)までが目安とされています。
子どもが自分で丁寧に磨けるようになるには時間がかかるため、それまでは仕上げ磨きでしっかりサポートしてあげましょう。
Q3. 子どもが歯ブラシを見るだけで泣くのですが…
A. 歯ブラシそのものに「イヤな記憶」がある可能性があります。
まずは歯みがき以外の場面で歯ブラシに触れさせたり、お気に入りのぬいぐるみに磨くまねをさせたりして、恐怖感を和らげましょう。
Q4. 感覚過敏がある子にはどう関わればいい?
A. 「毛の硬さ」「音」「光」「味(歯みがき粉)」などが刺激になることがあります。
シリコン素材や360度ブラシなど、口当たりがやさしいグッズに変えてみたり、無理のない時間帯に短時間で終える工夫が効果的です。
Q5. 保育園ではできるのに、家だと嫌がります…
A. 家では気が緩み、甘えが出やすいのは自然なことです。
「園ではできる=できる力がある」と前向きにとらえて、家庭では安心感を大切にしながら少しずつ習慣化していくとよいでしょう。
まとめ
歯みがきは「小さなストレスの積み重ね」で嫌になるもの。
子どもにとっては、「見えない」「痛い」「終わりがわからない」ことが不安の根源です。
作業療法士としての視点からお伝えしたいのは、
“歯を磨くこと”ではなく、“歯みがきを受け入れられる体験”を積むことが第一歩。
ということです。
今できなくても大丈夫。子どもと親が一緒に「できる形」を探していくことで、
いつか歯みがきは“あたりまえの生活の一部”になっていきます。
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