はじめに|足育って聞いたことありますか?
「足育(そくいく)」という言葉、聞いたことはありますか?
私は子どもが歩き始めてから、初めて“靴選びの難しさ”に直面し、
その後、作業療法士としての知識とつながって、「あ、足元ってめちゃくちゃ大事なんだ」と実感しました。
この記事では、そんな“足から育つ”という視点=足育について、
子どもの発達との関係や、家庭でできる工夫をやさしく解説していきます。
足育とは?専門的すぎずにざっくり解説
足育とは、簡単に言うと…
「子どもの足の成長や機能を育てていくこと」
でもそれだけではありません。
足の機能は、姿勢や歩き方、感覚、バランス能力など“全身の発達”と深く関わっているんです。
だからこそ足育は、単なる「靴選びの話」ではなく、
“発達支援”の土台をつくる考え方としても注目されています。
足育と発達の深い関係
● 足裏=“第2の脳”?
足の裏にはたくさんの神経が集まっていて、
歩いたり立ったりするたびに、地面の情報を感じとっています。
この“足裏感覚”は、脳に届いて「バランスをとる」「姿勢を保つ」などの働きをサポート。
つまり足は、ただの“土台”ではなく、全身をコントロールする「感覚の入り口」でもあるんです。
● 足元の安定が、姿勢・集中力にも影響
足のアーチや筋力が未発達だと、立つときにフラついたり、座っても姿勢が崩れやすくなります。
その結果、集中力や活動への意欲にも影響することも。
だから足元って、実は“落ち着いて過ごす力”にも関係してくるんです。
幼児期に足育が大事な理由
子どもの足の骨格は、3歳ごろまでに大きく形づくられ、
その後も6〜7歳頃まで成長を続けていきます。
● この時期の足は未完成=とても繊細
- 土踏まずはまだ発達途中
- 骨も柔らかく、外部の影響を受けやすい
- 体のバランスを取るのに足がフル稼働している
この時期に「合わない靴」や「偏った足の使い方」があると、
将来的な歩き方のクセや、足の変形につながることもあります。
日常でできる足育のアイデア
足育って、実は特別なことをする必要はないんです。
日常の中に“ちょっとだけ足を意識する時間”を取り入れるだけで十分。
● 裸足あそびを取り入れてみる
- 室内でカーペットの上を裸足で歩く
- 公園で芝生や砂場を歩く
- 凸凹した地面や坂道での「足裏刺激」
裸足になると、足の指や足裏をしっかり使うので、感覚や筋力の発達にも◎。
● 靴の選び方・履かせ方を見直すだけでもOK
- かかとがしっかりしている靴
- 足の形に合ったつま先の広さ
- 成長に合わせてサイズ確認
「靴を変えただけで、歩き方が安定した!」という声、実際によくあります。
まとめ|“足から育つ”を、もっと日常に
子どもの「動き」「姿勢」「落ち着き」…
それらすべての土台に、“足の育ち”は関わっています。
足育は、特別なトレーニングではなく、
毎日の生活や遊びの中で育てられるもの。
「なんか歩きづらそう」「最近よく転ぶな」
そんな気づきが、足育のスタートかもしれません。
まずは、今日のおでかけから。
お子さんの“足元”に、ほんの少しだけ目を向けてみてくださいね。
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「靴ってただの道具じゃないんですね」
そんな風に言っていただくことが増えてきました。
靴選び・サイズチェック・足育の考え方をまとめたシリーズはこちらからどうぞ。
プロフィール|書いている人
このブログは、作業療法士として10年以上、子どもの発達支援と生活に関わってきたパパが運営しています。
実際の育児での気づきや失敗もまじえて、専門職の視点から、やさしくわかりやすく発信しています。