ことばがゆっくりな子におすすめのごっこ遊び5選|作業療法士パパの支援ヒント

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「言いたいことが言えない」もどかしさ、感じていませんか?

  • ことばがなかなか出てこない
  • 単語だけで、会話が続かない
  • 自分の気持ちを伝えられず、癇癪を起こすことがある
  • お友達とのやりとりがうまくいかない

こうした“伝えたいのに伝わらない”場面が続くと、子ども自身もつらくなり、自信をなくしてしまうこともあります。

でも、無理に「話させよう」とする必要はありません。
むしろ、“ことばが出やすくなる土台”をつくることの方が大切です。

そんなときに役立つのが、ごっこ遊び

作業療法士として、そして子育て中のパパとして、
「ことばが出づらい子にこそ、ごっこ遊びは自然な“ことばの練習”になる」と実感しています。


なぜ“ごっこ遊び”がことばを育てるの?

  • 自分以外の役になりきることで、「伝える」「応える」体験が生まれる
    →普段は言いづらいことも、役になれば自然に出せることがあります。
  • “遊び”の中なので、失敗しても怒られない=安心して試せる
    →間違っても笑える、楽しい、だから何度も挑戦できる。
  • 擬音・オノマトペ・定型フレーズが多く、ことばのとっかかりになりやすい
    →「ニャンニャン」「ごはんですよ〜」など、口にしやすい言葉が満載。
  • やりとりがパターン化していて、“通じた成功体験”が積みやすい
    →「ありがとう」「またね」などのやりとりで、通じる楽しさが実感できる。

ごっこ遊びの支援ポイント

  • 子ども主導で展開できるテーマを選ぶ(例:日常・好きなモノ)
    →好きなキャラ・よく知っているシーンほど、安心して言葉が出やすくなります。
  • 道具がなくてもOK!ぬいぐるみ・おもちゃで十分
    →「何が必要か」より「何を演じたいか」に注目して。
  • 話せなくても「動作だけで伝える」→親がことばを添えて“翻訳”する
    →「あ、○○してくれるの?ありがとう」など、動きを言葉にして返すだけで学びになります。
  • 親も「役になりきる」ことで、子どもが安心してマネしやすくなる
    →恥ずかしがらず、思いきって“役者”になってみてください。

ことばの支援におすすめのごっこ遊び5選

1.お店屋さんごっこ(食べ物・文具など)

  • 「いらっしゃいませ〜」「どれにしますか?」など定番フレーズが学べる
  • 指差しや物の受け渡しでも十分コミュニケーションになる
  • 「ありがとう」「またきてね」など、終わりのことばも自然に習得

📌 ポイント:会話が難しい場合は、おもちゃを“差し出す”だけでもOK。
親が「これくださいってことかな?」とことばにして返すだけで十分です。


2.お医者さんごっこ(ぬいぐるみや親を診察)

  • 「どうしましたか?」「ここが痛いです」など感情表現の練習になる
  • 空気の注射や手で触るだけでもごっこ遊びになる
  • 声が出づらくても「うーん」「あー」と声で感情を出すことから始められる

📌 ポイント:「ぬいぐるみがケガしちゃったみたい!」と親がストーリーをつくってあげると、自然と子どもも参加しやすくなります。


3.おうちごっこ・赤ちゃんごっこ

  • 日常生活の模倣がしやすく、安心して遊べる
  • 「ごはんつくるね」「おふろにするよ」など使えることばが多い
  • パパ・ママの真似を通じて、自然なことばのインプット&アウトプット

📌 ポイント:ぬいぐるみのお世話を通じて、「〇〇してあげようか?」などの“優しい言葉”が増える子もいます。


4.ペットごっこ・動物園ごっこ

  • 「ワンワン」「にゃー」など擬音だけでも参加できる
  • 表情や動作での表現が多く、“非言語のやりとり”が楽しい
  • 指示理解や模倣にもつながる(「おすわり」「ごはんだよ〜」)

📌 ポイント:まずは親が動物役に!「にゃ〜お、さかなください♪」など、ことば遊びを交えて楽しく広げましょう。


5.宅配便ごっこ・郵便やさんごっこ

  • 「ピンポーン」「おとどけでーす」など短いフレーズで成立
  • “届ける”動作があることで、動きが加わって飽きにくい
  • 紙袋や封筒を使って、ごっこ遊びがどんどん広がる

📌 ポイント:届いたものを開ける“リアクション遊び”も効果的。「あ、プレゼントだー!」など感情表現にもつながります。


ごっこ遊びが広がらないときは?

  • 子どもが興味ある物・キャラを題材にする
    →電車好きなら「駅員さんごっこ」、恐竜好きなら「恐竜の病院ごっこ」など。
  • 遊びが単調でもOK!
    →同じセリフ・やりとりの繰り返しが、安心と学びにつながります。
  • 親が「お客さん役」になるとことばが出やすい
    →主導権を子どもに持たせると、自信につながることも。
  • 終わり方が難しい場合は、“終了の合図”をあらかじめ決めておく
    →「タイマーが鳴ったらおしまいね」「あと1回で終わろうね」と約束しておくと、トラブル予防に◎

まとめ|“ことばが育つごっこ遊び”は、楽しいが一番!

ごっこ遊びは、特別な道具や教材がなくても始められる、ことばの宝箱のような遊びです。

ことばが出づらいお子さんにとって、
「言わなきゃダメ」ではなく、「言ってもいい」と思える空気が何よりの支援。

今日の遊びの中で、1つでもことばが出てきたら大成功。
焦らず、楽しく、一緒にことばの芽を育てていきましょう。


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