PRあり

「集団が苦手な子」に外遊びでできること|“ひとりでもOK”から始まる関わりの第一歩

tamutamu

作業療法士のパパと、しっかり者のママ。
夫婦で子育てに向き合いながら、
わが家の日常や役立つ育児のヒントを
ゆるっと発信しています。
「家族っていいな」と思えるような、
あたたかい場所をめざして運営中です。

「お友達と遊べない」=困ってないとは限らない

  • お友達の輪に入りたがらない
  • 「ひとりで遊ぶ方が好き」と言うけど、実は興味はありそう
  • 集団の中だと緊張して固まってしまう

「うちの子は人見知りだから」「ひとり遊びが好きだから」
そう決めつけてしまう前に、

本当は「関わりたいけどどうすればいいかわからない」だけかもしれません。

この記事では、作業療法士パパの視点から、集団が苦手な子が外遊びを通じて“自分のペースで関わりを始める”サポートの工夫をご紹介します。


集団が苦手な子の“感覚・経験・社会性の段階”とは?

  • 音や動きが多いと圧倒されてしまう感覚過敏
  • 同時に複数のことに注意を向けるのが難しい特性
  • 自分の世界での安心感が強く、他者と交わる経験が少ない

集団が苦手=コミュニケーション力の問題ではなく、“自分の安心領域”からどう広げていけるかの支援が大切です。


外遊びは“関わりの距離”を自分で選べる場

  • 近づく・離れる・ちょっと見るだけ、が自由にできる
  • 「隣で遊んでみる」→「同じものを使ってみる」→「一緒に遊ぶ」へ段階的に進める
  • 一人遊びも“関わりのスタート地点”として尊重できる

外遊びは、「関わってもいいし、関わらなくてもいい」が許される貴重な場です。


OTパパおすすめ|ひとり遊びからつながる外遊び5選

「他の子と遊ばないんです」「いつも一人で…」と心配される親御さんは多いですよね。
でも、“ひとりで遊ぶ”ことも大切な発達の一部であり、安心できる遊び方なのです。

今回は、作業療法士パパの視点から、「ひとり遊び」から「自然な関わり」へとつながる外遊びを5つご紹介します。


1.並んで遊ぶ砂場(道具の貸し借りが生まれやすい)

砂場は、同じ空間で違うことをしていてもOKな場所。
でも、同じ素材(砂)を使っているだけで、心の距離はぐっと近づくんです。

スコップや型抜きなどの道具を使って隣で遊んでいると、「ちょっと貸して」「ありがとう」などのやりとりが自然と生まれやすくなります。
それも、言葉がなくても“関係”が芽生える場面がたくさん

とくに「人と関わるのがちょっと苦手…」という子にとっては、会話なしでも関係性を感じられる安心な距離感が魅力です。

育つ力: 並行遊び・共有の意識・微かな関係性


2.木の実集め・虫探しなどの“目的共有”型遊び

「一緒に遊ぶのは緊張するけど、“一緒に探す”はできる」
そんな子には、自然の中で“目的を共有する”遊びがおすすめです。

例えば「どんぐりをいっぱい集めよう」「テントウムシ探そう!」というような、目的が明確な活動は、隣に誰かがいても安心しやすくなります。

言葉がなくても、うなずいたり見せ合ったりしながら、“チーム感”のある関わりが生まれやすいんです。
特に公園や森など、開放的な場所だと会話なしでも成立しやすく、無理なく関係性が育ちます。

育つ力: 目的の共有・安心感の中の関わり・チーム感


3.「ちょっとだけ貸して」「どうぞ」が言いやすい道具遊び(シャボン玉・水遊び)

関わりが苦手な子でも、「道具を通したやりとり」ならハードルが下がります。

シャボン玉・水鉄砲・ジョウロなど、ちょっと使ってみたい/貸してあげたい気持ちが生まれやすいアイテムを活用しましょう。

たとえば、

  • 「ちょっと貸してくれる?」
  • 「どうぞ、順番ね」 など、ほんの一言のやりとりが関わりの第一歩になります。

この時、周りの大人が「今のやりとり、ステキだったね」と声をかけてあげると、「やりとり=楽しいこと」だと感じやすくなります。

育つ力: 道具を介したコミュニケーション・社会的ルールの理解


4.“見てるだけ”もOKな遊び(鬼ごっこ・ボール遊びなど)

鬼ごっこやボール遊びに誘われても、「まだ入れない…」という子も多いですよね。
でも、“見てるだけ”も立派な参加です。

見ることで

  • 「どうやって遊ぶのかな」
  • 「ルールはどんな感じかな」
  • 「この人たち楽しそうかも」

と、安心感と関心が少しずつ育っていきます。
そして、自分のタイミングで「入ってみようかな」と一歩踏み出せたとき、それは大きな成長の瞬間です。

「すぐに参加しなくても大丈夫」と見守ることで、子ども自身の「やってみたい」の芽を大切に育てられます。

育つ力: 関心の育ち・状況理解・自己選択


5.家族との遊びに“他の子が混ざってくる”環境づくり

「他の子と遊ばせなきゃ…」と頑張るよりも、まずは親子で楽しく遊ぶ姿を見せるだけでも十分。

公園で親と遊んでいると、自然と周囲の子どもが近づいてきたり、混ざってきたりすることがあります。
これが、「知らない子と一緒に遊べた!」という最初のきっかけになることも。

このとき、親が一緒にいてくれるという安心感があることで、子どもも「関わってみようかな」と感じやすくなります。

育つ力: 第三者との接点・仲介的関わり・安心の中の経験


声かけ・関わり方の工夫|「遊ぼう」より「そばにいるよ」

子どもに「遊びなさい」「一緒に行っておいで」と急かしていませんか?
でも、無理に誘わず、“そばにいるだけ”の関わりが、かえって子どもを安心させることもあります。

  • 「無理に誘わない」→選ぶのは子ども自身
  • 「今、隣で遊んでるね。いい感じだね」→“関わっていない”状態も肯定する
  • 「さっきの子、シャボン玉上手だったね」→関わりを実況して関心をつなげる

関係は「一緒に遊ぶ」前から始まっている。だからこそ“関係の芽”を大切に。


まとめ|“無理に入れない”から“自然に交わる”へ。関わりの一歩を大切に

集団が苦手な子は、実は「関わりたくない」のではなく、
「安心できる環境がないから、まだ動けないだけ」かもしれません。

  • 興味があっても、緊張や不安が先に立つ
  • うまく関われる自信がないだけかもしれない

そんなときは、“関わらせる”ではなく、“関われる環境と余白”を整えてあげることが大切です。

外遊びは、その子にとってちょうどよい“関わりの距離”が選べる場所。

小さな関わりの芽をそっと育てながら、

「ひとりでもOK」から「誰かともちょっと楽しい」へ
そんな経験を少しずつ重ねていけるといいですね。


関連記事

「人見知りが激しい子」に外遊びでできること|安心感のある関わりからはじめよう


「不安が強い子」に外遊びでできること|“安心の土台”から広がる挑戦の一歩

将来が不安なあなたへ|発達グレーの子に使える支援制度まとめ

発達が気になる子どもと家族のための情報まとめ


-発達支援×外遊び