「またぶつかった…」と感じたら、それは“感覚”のサインかも
- よく机やドアにぶつかる
- 遊具での距離感がつかめず怖がる or 無茶をする
- 椅子にまっすぐ座るのが苦手
こんな姿を見て、「なんで気をつけないの?」と思ったことはありませんか?
でも実は、
空間を認識する力=“育つ過程”の一部。まだ育ちきっていないだけかもしれません。
この記事では、作業療法士パパの視点から、空間認識が苦手な子どもに向けた外遊びの工夫をご紹介します。
空間認識ってなに?なぜ子どもに必要?
空間認識とは、
- 「物との距離」や「自分の位置関係」を把握する力
- 自分の体がどこにあるかを感じる“身体図式”の土台
この力が育っていないと、
- よくぶつかる・物を倒す
- 行動がぎこちない/危なっかしい
- 図形の理解・文字の配置などにも影響が出ることがあります
OTの現場でも「空間がつかめない」ことが行動の不器用さに直結するケースは多いです。
外遊びが“空間感覚”を育てる理由
- 実際に「動く」「通る」「ぶつかる」を体で経験できる
- 視覚+身体感覚が同時に働くことで認識が深まる
- 単なる練習ではなく、“楽しい体験”として記憶に残る
室内の運動遊びでは得づらい、“広さ”と“距離”の体験ができます。
OTパパおすすめ|空間認識を育てる外遊び5選
1.平均台・縁石・丸太渡り
- 「落ちないように進む」体験で、距離感・バランス・位置取りが育つ
育つ力: 身体図式・バランス感覚・注意集中
2.“あの木までよーいどん”ごっこ
- 遠くの目標物に向かって走る/止まる/折り返す
育つ力: 距離感・目標の捉え方・空間の把握
3.しゃがんで通る/またいで超える遊び(ロープ・木の枝)
- 空間に対して「自分の大きさ」を認識する練習になる
育つ力: 身体認識・関節感覚・調整力
4.大きな線や円の中を歩く(チョークや枝で描く)
- 空間内を“意識して動く”ことで認識が定着
育つ力: 空間把握・視覚と身体の統合・集中力
5.追いかけっこ・鬼ごっこ
- 「相手との距離」を意識して動く→瞬時の判断力が育つ
育つ力: 動的空間認識・タイミングの調整・注意の切り替え
声かけ・関わり方の工夫|“気をつけて!”ではなく“気づけるように”
- 「あそこ狭そうだね、どう通る?」→考える余白を渡す
- 「丸の中に入れるかな?歩いてみよう!」→遊びとして取り入れる
- 「うまくくぐれたね!」→成功をフィードバック
大人が先に注意するのではなく、“体で気づけるチャンス”を与えることが大切です。
まとめ|空間認識も“育ちの個性”のひとつ
空間がうまくつかめない子は、
- 失敗経験が多くなりがちで、自己否定感を持ちやすい
- 「気をつけて」ばかり言われて、自信をなくすこともあります
だからこそ、外遊びで楽しく“わかる体験”を重ねることが大切。
動きながら覚える、体で感じて理解する——
その積み重ねが、「わかる」から「できる」へとつながっていきます。
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