「またすぐやめちゃった…」と悩む前に知っておきたいこと
- おもちゃで遊んでも、すぐポイっとしてしまう
- 公園に行ってもあちこちウロウロ、長続きしない
- 集中力がない?多動気味?と心配になる
こんな様子を見て、「うちの子、大丈夫かな…」と感じることはありませんか?
でも実は、
「遊びが続かない」のは“集中力がない”からとは限りません。
感覚や環境、気持ちの切り替えにまつわる“育ちの途中”かもしれないのです。
この記事では、作業療法士パパの視点から、外遊びを活用して「遊びの持続力」を育てる関わり方をご紹介します。
遊びが続かないのは“脳のクセ”や“感覚のズレ”かも?
子どもがすぐ飽きてしまう背景には、以下のような要因が絡んでいることがあります。
- 刺激に敏感/鈍感で集中しづらい(感覚処理の特性)
- 達成感を感じる前に飽きる/投げ出すクセがある
- 「何をしたらいいかわからない」不安が強い
- 環境刺激(音・人・視覚情報)が多すぎて切り替えられない
「興味がない」のではなく、「自分で続ける力がまだ育っていない」ことも多いのです。
外遊びが“集中しやすい環境”になる理由
- 自然物(葉・水・石など)には過剰な刺激が少なく、感覚が安定しやすい
- 空間にゆとりがあり、自分のペースで動きやすい
- 親が「観察するだけ」でもOKで、干渉が少ない
- 失敗しても誰かに責められる場面が少ない
外遊びには、“集中しやすい条件”がそろっています。
OTパパおすすめ|遊びの持続力を育てる外遊び5選
1.繰り返し要素がある遊び(ブランコ・水くみ・砂場)
- 同じ動作を続けることで“流れ”にのれる
- リズムや心地よさが集中につながる
育つ力: 感覚の安定・行動の継続力・満足感
2.達成感が得られる遊び(石集め・道づくり・枝の橋渡し)
- 「最後までやった!」が成功体験に
- 小さな結果が見えることで達成意欲が刺激される
育つ力: 計画力・持続力・自己肯定感
3.変化がゆるやかな自然観察(虫探し・雲の形観察)
- 急かされず、自分のペースで観察できる
- “じっと見る”経験が注意力を高める
育つ力: 観察力・視覚集中・情緒の安定
4.道具を使う創作遊び(穴掘り・木の枝アート)
- 道具や手を使うことで“関わり方”が深まる
- 工夫や試行錯誤が「もっとやってみたい」につながる
育つ力: 手先の集中・継続的思考・想像力
5.親子で並んでやる「声かけ少なめ」遊び
- 「あれやって!」と誘導しすぎず、子の集中を尊重
- 一緒に何かをしながらも、言葉は最小限でOK
育つ力: 自主性・自分なりの集中・内的動機
声かけ・関わり方の工夫|“じっくり”を育てるひとこと
- 「ゆっくりでいいよ」→急がせない安心感
- 「さっきより長くやってたね!」→前向きな気づきを伝える
- 「つづきはまた明日しようか」→未完の楽しみをつなげる
「集中できた」よりも、「またやってみたい」と思える経験を大切に。
まとめ|その子なりの「集中の形」を外遊びから育てよう
子どもによって、「集中できる条件」はちがいます。
- 静かな場所がいい子もいれば、ちょっとざわざわしてた方が落ち着く子もいる
- 五感が整ってはじめて、興味が持てる子もいる
外遊びは、そうした“その子なりの集中の入り口”を見つけるチャンスです。
大人が「続かない」と決めつけずに、
「今日はこれくらいできたね」と見守ることで、少しずつ“続ける力”が育っていきます。
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