はじめに|「できない」じゃなく「やり方が違うだけ」
「お箸が使えない」「ハサミがうまく動かせない」「ボタンが留められない」――
手先の不器用さに悩むお子さんは少なくありません。
でもそれは、“練習が足りない”のではなく、“その子に合ったやり方”に出会えていないだけかもしれません。
作業療法士として発達支援の現場に関わり、家庭ではパパとして子育て中のぼくが、
実際に効果を感じた「手先の不器用さにアプローチできる遊びとグッズ」をまとめました。
- 「遊びながらスキルが育つ」
- 「親子で楽しめる」
- 「身近なもので始められる」
この3つを軸にご紹介していきます。
こんな方におすすめです
- 子どもが細かい作業に苦手意識をもっている
- 発達支援の“第一歩”として家庭で何か始めたい
- 楽しく遊びながら自然にスキルを育てたい
手先が不器用な子におすすめの遊び5選+グッズ紹介
1.ストロー落とし|目と手の連動を育てる
どんな力が育つ?
目で見た位置に正確に手を動かす「視覚―運動協応」を楽しく育てます。集中力・器用さUPにも。
こんな子におすすめ
- 穴に通す動作が苦手
- 工作やひも通しが苦手
- 「できた!」を小さく積み重ねたい
おすすめグッズ
✅【手作りも可】牛乳パック+ストローで簡単DIY
2.洗濯バサミ遊び|“つまむ力”のトレーニング
どんな力が育つ?
指先の力、特に親指と人差し指の“つまむ”動きが鍛えられます。鉛筆持ちや食事動作の基礎づくりにも。
おすすめグッズ
✅【安く始めたい】100均の洗濯バサミ+厚紙で手作り
3.粘土遊び|“手の土台”を作る感覚あそび
どんな力が育つ?
粘土をこねる・握る・伸ばす動作は、手のひらや手首、腕の筋肉を自然に使います。触覚刺激にも◎
おすすめグッズ
✅【安心素材】「Giotto ベビー粘土」
✅【家庭向け】こむぎねんど(ダイソー等)
4.ボタン練習おもちゃ|生活動作につなげる
どんな力が育つ?
「留める」「引く」「合わせる」など、日常に必要な指先動作が遊びの中で身につきます。
おすすめグッズ
✅【布おもちゃの定番】ビジーボード
5.ちぎり・丸め遊び|簡単だけど超効果的!
どんな力が育つ?
紙をちぎる・丸める・捨てる――この一連の動作で、両手の使い方・視覚誘導・集中力が身につきます。
おすすめグッズ
✅【今すぐできる】新聞紙・折り紙・チラシでOK
比較表|遊び×育つ力×おすすめ年齢
遊び | 育つ力 | おすすめ年齢 | グッズ例 |
---|---|---|---|
ストロー落とし | 視覚―運動協応、集中力 | 2〜5歳 | ひもとおし玩具、DIYストロー落とし |
洗濯バサミ | 指先の力、つまむ操作 | 2〜6歳 | 洗濯バサミ、ピンチトレーナー |
粘土あそび | 手の筋力、触覚 | 1.5〜6歳 | 小麦ねんど、ベビー粘土 |
ボタン練習 | 生活動作の自立、巧緻性 | 3〜6歳 | 布おもちゃ、フェルト教材 |
ちぎり遊び | 両手の使い方、集中力 | 1.5〜5歳 | 折り紙、ちぎりワーク |
まとめ|手先が不器用な子こそ、“遊び”でのびる
子どもに「できないこと」があると、つい焦ってしまいますよね。
でも、その子に合った遊び方さえ見つかれば、「できた!」は必ず増えていきます。
✔ 指先の力が足りないなら → 洗濯バサミや粘土
✔ 動かし方がぎこちないなら → ひも通しやストロー遊び
✔ 日常動作で困っているなら → ボタン練習おもちゃ
遊び=療育の入り口です。まずは“楽しく続けられること”から始めてみましょう。