3歳で変わる外遊びの質｜“ごっこ・ルール・友達”を育てる遊び5選

こんな人におすすめです

3歳は、“一人の世界”から“人との関わり”へとステージが変わる時期。
そんな心の成長を、遊びの中で自然に育む方法をまとめました。

3歳児の成長は、見た目以上に内面の変化が大きい時期です。
運動機能の発達だけでなく、「イメージの世界」「他者とのやりとり」「言葉での表現」など、“見えない力”が育ち始めるタイミング。

作業療法士として関わる中で感じるのは、「できる・できない」よりも、“やりとりを楽しもうとする姿勢”を大事にすること。
その第一歩として、外遊びがとても有効なんです。

3歳になると、「○○屋さんになりきる」「ヒーローごっこをする」など、想像力を使った遊びがどんどん広がってきます。
これは、ただの遊びではなく、以下のような発達要素が詰まっています。

公園の外遊びは、家の中よりも広くて自由。
だからこそ、「体を動かしながらごっこ遊びを楽しむ」という形で、“動き”と“想像”がつながる経験ができます。

落ち葉を料理に見立てたり、ベンチを電車にしたり、その場にあるものを使った「見立て遊び」が急増。
大人も参加して、「いらっしゃいませ」「次は〇〇駅でーす！」と声をかけることで、子どもの想像がふくらみます。

「投げる→受け取る→また返す」というやりとりは、順番・タイミング・協調性の育成にぴったり。
ボールの種類は柔らかくて安全なものを。
慣れてきたら、「キャッチできたら〇ポイント！」などのルールを加えるのもおすすめです。

この時期は、並んだり、順番を待ったりがまだ難しい時期。
でも、遊具のなかで「自分の番を待つ」「他の子の動きを見る」という体験が、自然と“社会のルール”を学ぶ場になります。

「次だよ」「ありがとうね」など、親が代弁して伝えてあげましょう。

「どれにしますか？」「これは100円です」といった“やりとり”のあるごっこ遊び。
葉っぱ・小枝・どんぐりなどの自然素材は、最高の“商品”になります。

遊びながら、数・言葉・役割のやりとりが楽しく学べます。

複数人で「鬼ごっこ」や「バナナ鬼」などを取り入れると、集団での動きの中で社会性が育ちます。
1人ではなく“みんなで”動くことは、空間認知や状況判断力にもつながります。

この時期、友達とのトラブルはつきものです。
でも「ダメ！」とすぐ止めるのではなく、“一緒に気持ちを整理する”経験こそが成長のチャンスになります。

自分の気持ちを理解してくれる大人の存在が、子どもの社会性を支えます。

「走る」「遊ぶ」だけではなく、「一緒に」「ルールの中で」「役割を持って」関わるようになってくるのが3歳。

大人が遊びに“ちょっと参加するだけ”でも、子どもたちはその世界をどんどん広げていきます。
関わり方次第で、“社会性・想像力・協調性”が自然と育っていく――それが、3歳外遊びの魅力です。